荒小田(あらをだ)のこぞの古跡(ふるあと)のふるよもぎいまは春べとひこばえにけり 曾禰好忠

荒小田(あらをだ)のこぞの古跡(ふるあと)のふるよもぎいまは春べとひこばえにけり

 曾禰好忠

 題しらず

 新古今和歌集 巻第一 春歌上 77

「荒田の、去年生い茂っていた辺の蓬が、もう春だとばかり根株から芽を出してきたことだ。」『新日本古典文学大系 11』p.40

好忠集「三百六十首和歌・二月中」。

荒小田 荒田。秋の刈り上げから春の田打ちまでの間、刈株のままになっている田。

ふるよもぎ 古草・古柳の類で冬枯れの蓬。

ひこばえ 孫生え。蓬は多年生草本で冬に地上部は枯れ、春に根株から芽を出す。

「古跡」「ふるよもぎ」「ひこばえ」等の語は歌に先例を見ない。

参考「難波津にさくやこの花冬ごもり今は春べとさくやこの花」(古今 仮名序 王仁

「若草」の歌。

曾禰好忠(そねのよしただ 生没年未詳)平安時代中期の歌人

拾遺集初出。詞花集最多入集歌人。勅撰入集計九十二首。

隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では大江匡房と番えられている。

小倉百人一首 46 「由良のとをわたる舟人かぢをたえ行方もしらぬ恋の道かな」

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